第4代 黒川
テレビで水中の景色を写しているときがある。同時に、水中マスクをして潜っている人がそこでしゃべって報告をしている。何事も無い、普通のように聞こえる。かなり前になるが、こういうことは難しいことだった。どういうことか。それは水中マスクをしていると息をするたびにマスクの中で気流が勢い良く流れてマイクにザーッザーッという音が入ってしまいうるさくてしようがなかったのだ。特に息を吸うときは流速が速いのか音も大きかった。「えー。ゴボゴボ。あーゴボゴボ。」それを今のように、話しているときもそうでないときも静かに聴こえるようになったのは一つの工夫のお陰だ。息を吸いながらしゃべる人はいないので、そのときはマイクを切ってしまおう。そして息を吐きながらしゃべるわけなのでそのタイミングでマイクを活かせばしゃべる声だけが聞こえてくる。それを自動的にしたのがその当時の工夫でした。
楽譜でブレス記号がある。管楽器や声楽のときに息を吸う箇所を指定してある。水中マイクと同じように息を吸うときは音や声が出ない。ただし達人になると音が途切れるのは一瞬だけのときもある。
ギターの場合はどうか。ブレス記号のところで奏者だけが息を吸って、楽器に息を吸わせていないことはないだろうか。ここは音を一瞬切ってフレーズの切り替わりを明確にすべきところだと思う。