仲間の近況/還暦過ぎてもギター三昧の日々/7代

7代 原口

卒部以降しばらく浦和の公民館で講師の活動をしていたが、転勤等もあり活動継続が難しくなり、30代からおよそ15年は全くギターと無縁の生活となり、ギターそのものへの関心も薄れていった。ギターも放置状態で弦が2~3本飛んでいた。

人生の折り返しを意識し始めた40代半ばに、とあるきっかけでギターを再開してから随分時間が経った。最初は、とにかく弦を6本揃えるところからの再スタート。「禁じられた遊び」もきちんと弾けない。「アルハンブラ」は全く指が動かない。その後1年くらい夢中で練習し直したら半分くらいまで戻ることができた。遊び半分で録音してみたら、思ったよりいい感じ。調子に乗って、やたらと録音をするようになった。まだ40代だったので、エネルギーがあったのだろう。もちろん昔のように速い曲は弾けなくなってしまったので、なるべくスローな曲は選んでポピュラー中心に録音して自分で聴いて楽しんだ。その頃は、還暦はほど遠く、まだ10年以上もあるのだから、昔と同じとは行かないまでも、還暦までには8割方戻るだろうとたかをくくっていた。

しかし、50代になって、会社の仕事が多忙を極め、いつしかまたギターを弾かなくなり、いったん戻った指も「元の木阿弥」。ストレス解消目的のお酒でアル中寸前の状態にまでなり、会社で捺印をする時にも指が震えてうまく押せない状態。当然それはギターにも影響を及ぼし、かつて一番動いていたiの指が全く言うことをきかなくなってしまった。
その後、たまたま、40周年式典の前後に4代Kさんや6代Sさんとメル友になり、刺激されてまたギターを弾くようになった。相変わらず、「iの指」は回復せず、いまだにリハビリ中。45周年式典の前に、6代のNさんから「OBで3重奏どうですか??」という話しを受けた。その頃は、人前で弾ける自信もなかったから、どうせならギタークラブ創設当時のメンバーが集まって合奏やったら面白いのでは??と思い立ち提案、NさんKさんSさんに賛同いただき団員募集活動を開始。そして、忘れもしない2010年7月18日12時運命の日、古代人が40年ぶりにあちこちから姿を現し、いきなり「真珠採りのタンゴ」を合わせた。「いけるじゃん!!」と思った。その日は練習後5~6時間くらい再会を祝して飲み明かした。これが『新生トレド』の始まりだ。

その後わずか2ヶ月の間にトントン拍子に5曲をマスターし、無事式典に間に合わせることができた。現役の皆さんとも合同で「真珠採りのタンゴ」を演奏した。あれは楽しかった。私は3rdでラスゲアードをバンバン出したら、当時現役バリバリのM君も対抗して普段の倍くらいの音を出してきた。演奏の良し悪しはともかく、ラスゲアード対抗合戦みたいな感じだった。
トレド発足ついでに、2010年8月22日合奏練習後の飲み会で「OBOG会創ろうよ」という話しがまとまり、こちらも1ヶ月弱の間に準備を進め、45周年式典の際に出席の皆さんの賛同をいただき発足、現在に至っている。思えば、たった3ヶ月の間に「歴史が変わった」わけで、意思を同じくした人間の結集力って凄いなと思った。

さて、話しが脱線してしまった。その後、私のギター人生であるが、トレドで2回の発表会を経験し、少しずつ人前で弾けるようにもなってきた。しかし、今でも指はぎこちなく、これは仕事多忙時に飲みすぎた罰かもしれないと思っている。先日のトレド第2回発表会で4代のKさんのソロの司会時に紹介されたコメント『弾くなら飲むな!飲んだら弾くな!!』は、まさに自分のためにあるような名言で、最近はいつもこの言葉を自分に言い聞かせて、いつかまた「iの指」がせめて普通でいいから動くように祈りながら、旅行の時以外自宅にいる日は、毎日かかさずギターを弾いている。いつかどこかで、ある会社員の方が出勤前にギター練習してから仕事に行くという新聞記事を目にした。その時は、そんな朝から指なんか動かないし気分的にも無理だよと思ったが、ま、一丁試してみるかということで、少しずつ始めてみたら、いつしか、恒例の朝練スタイルが身についてしまった。流石に朝から酒は入らないから丁度いいとも言える(笑・・)。

昨年の暮から、どうせ指が動かないのだから不完全でもいいから格好いい曲をと思い立ち、「タンゴ・アン・スカイ」の練習を始めた。ギター界の怪人?ディアンスの代表作で、村治佳織さんの十八番である。もちろん遊びとしてだが、この曲は弾いていて楽しい気分になる。こういう楽しさは、中学生の頃に無我夢中でギターに没頭していた時以来である。というわけで、私は還暦過ぎてもギター三昧の日々なのである。歳をとったせいか練習時間の割にはちっとも上達しないので、毎日イライラしどうしであるが、正気で上手くなりたいと思っている。ま、「上達意欲がある」というのは、ギターに限らずどんな趣味でも大切なことなのではとも思う。

カテゴリー: 50周年   タグ:   この投稿のパーマリンク

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