第5回 弦

第4代 黒川

 原口さんと田畑さんが、別稿で弦の選び方というのをこのホームページに載せている。この中で原口さんが交換の目安は50時間と言われている。時々気にしてはいて、どの位かなと思っていたことに具体的数字が出てきたので自分を振り返ってみた。今、週末しか楽器を手にすることは無く、弾いているのは週末の二日合わせて4時間くらいだろうか。そして、弦は大体3ヶ月で交換している。3ヶ月で13週間とするとまさに52時間で替えている。学生時代は1日8時間で週1回替えていたからこれも56時間。50時間というのはまことに目安となる数字だなあと感心した次第。
 で、前から弦の交換はもったいないと考えているけれどもこればかりはしようが無い。音程が狂う・音の伸びがなくなる・きれいな音が出なくなるなど我慢しきれなくなって替えてしまう。毎週替えていた時などは張ってからすぐに弾き出すので、調弦を繰り返しながら落ち着かせる。その間弾いている。このために、フレットでこすれた跡が長くついて余計にダメージを与えていた。
 最近弾く頻度が少なくなってから良いことに気がついた。それは、張ってから約1週間は弾かずに、ただ調弦だけは毎日しておくと「持ち」が良いということ。例えば日曜日の夜に張って、金曜の夜までは調弦だけして他は我慢する。そして土曜の朝やおら弾き始める。するとなぜかその後の「持ち」が良い。良い音の期間が長くなる。1週間弾かないと我慢できない人にはお勧めできないけれども、そうでない人には是非お勧めしたい。
 弦がパッケージに入っているときの巻き癖をとるために張る前の弦を窓辺につるしている人がいるときいたことがある。軽いおもりを1本1本につけて、上から吊っていたそうだ。何日か吊っておいてから張る。巻き癖というのは大きく巻いている(目に見える)癖と、目に見えないがねじれの方向の癖も必ずあるはずだ。
 弦が振動するときのことを想像すると、その動きは平面の上で動いているとつい思ってしまう。蛇がその体を地面から離さずに体をくねらせているように。しかし実際はそういうことは少なく(ほとんど無い?)立体的に振動している。つまり、縄の両端を二人の子供が持ってまわしてその中にもう一人の子供が入って跳ぶ縄跳びの縄のような動きもあるということ。また、あるところで、「弦を弾くときに弦を回す感覚を持つこと」という指導の言葉を見たことがある。これは弦自身がその断面円の中心を中心にして回動する動き(指先で弦を転がす・ねじれ)と、先の縄のような動きとのどちらかはわからない。わからないけれども、そういうことを考えるとパッケージでの巻き癖を取るというのは大事なことかしらんと思う。思うけれどもまだ確かめていない。

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