第11回 速いパッセージを弾く話

第4代 黒川

お店でビールを飲んでいる。
テーブルには空いたジョッキが並んでいる。
と、今までは素通りしていた店員さんが突然各テーブルからジョッキを集めにかかる。
ああ、混んできてジョッキが足りなくなったんだなと判る。
ジョッキは元に戻して回転させる必要がある。

武道の本で、「槍は突くときよりも引く(戻す)動作を速く」と書いてあるのを読んだことがある。理由は色々ありそうだ。早く次の攻撃に移る、早く防御の姿勢に戻る、相手の傷口をふさがない、などなど。
いづれにしても、槍手は引く動作の練習もしているかなと想像した。

さて、ギターにこれを当てはめてみる。
細かい音符がならんだ速い箇所。どうしても弾けない。速く弾けない。
こういう箇所で、弾く方向のことばかりに気が行っていないだろうか。
指は弾く前の状態にまで戻っていないと次の弾弦ができない。
つまり、弾いた後にいかに速くもとの位置に戻すかということも速く弾くには必要なこと。

人の筋肉の呼び方で表と裏というのがあるらしい。
胸やお腹は表かと思ったらそうではないらしい。背中側が表でお腹側が裏だよと書いてあった。それは四足で歩いているときに外側になるのを表と呼ぶからだと。
それで想像すると、手の甲のほうは表で手のひらの方は裏となるのかもしれない。

ちょっと横道にそれたけれど、先に書いた「弾いた後に戻す方向の動き」は手指の表のほうが縮むことになるのだろう。

そこでもうひとつ気をつけることがある。指を動かすのは指についている筋肉だけではないと言うこと。
指を動かすと前腕のひじに近いところも同時に動いているのが判る。が、これは書き方の順序が逆であってひじに近いところの筋肉が指を動かしているのだ。
(これを意識すると、指で弾こうとしなくなるので指が硬くならずに力が抜けてくるかも!。これ、最高です!。)

というところで、本日の結論。
弾いた後に瞬時に元の位置に戻す。
指を動かしているのは肩から先、主にひじから先の筋肉だと言う意識を持つこと。

これで、1割は速くなると思いますよ。
その一割から先がまただめなのよねー。
私も同じです。

終わり。

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