スペイン紀行(新年特別編)―トレド
特別編の旅は、新年スペシァルとして“トレド”について先回りに取り上げました。
“トレド”は、埼玉大学ギタークラブOBOG会が結成したギターアンサンブルですが、スペインのトレドはマドリードから南に約70km、南メセタ高原のトレド盆地に位置しタホ川に囲まれています。この地もまた、中世(8世紀から11世紀)においては、イスラム人が水利施設を構築し、この城塞都市で暮らせる環境を構築しています。“トレド”のホームページにほぼ前景に近い写真がアップされています。
歴史的には、古代ローマ帝国の時代から城塞都市として栄えました。また、他地域と同様に8世紀以降にアル・アンダルス(イスラム・スペイン)の一部となりましたが、11世紀にカスティーリャ王国に降伏しレコンキスタが勢いを増すきっかけとなりました。この間イスラム教、キシスト教、そしてユダヤ教を信奉する人々の相互扶助が行われた結果、この地でも文化の融合がもたらされ、鉄製品や陶器の生産、そして、古代ギリシャやローマ時代のアラビア語版文献がラテン語に翻訳されたことなどが有名です。
トレドに縁のある人物の紹介です。
美術関連で、エル・グレコ(ギリシャ人:クレタ島1541年生まれ)はイタリアからこの地へ定住し、この地の教会などで多くの有名な宗教絵画を鑑賞できます。
それでは、J.S.バッハ作曲セゴヴィア編曲の「シャコンヌ」を聴きながら写真と説明をみて、スペインの旅特別編を外観からだけですが味わっていただければと思います。
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まずはピサグラ新門をくぐり城塞内へ入ります。
アルカサルは、ローマ時代には宮殿があり、アルフォンソ6世時代以降に改築され、16世紀に今のような形となり、現在は市民戦争博物館となっています。右端の大きな建物です。
カテドラル(トレド大聖堂)は、13世紀から15世紀にかけて建てられました。真ん中の高い尖塔です。
「免罪の扉」の上部にはあの「最後の晩餐」を彫刻(少し白っぽく見える像)で見ることができます。
サント・トメ教会は、モスクを14世紀に改築したものグレコ作門外不出の「オルガス伯の埋葬」が飾られています。サント・トメ教会の塔が見える路地です。
トレド遠景からも見えますように、他にもいくつかの教会がこの城塞都市の中にあります。迷路のような狭い路地が住居の間を縫うように通っていて、自動車も通れますが、一方通行が多く、恐らく外部の人間は路に迷うばかりでしょう。また、地下通路もあり、人が立って楽に歩ける大きさのものがこれまた迷路のようにあるそうです。
第四回スペイン紀行はセビージャとコルドバです。