スペイン紀行(最終回)―マドリッド
最終回の旅は、マドリッドです。
マドリッドは、スペインの首都です。メセタ台地(カスティリャ高原)に位置し、標高は600m以上とかなり高く、気温は季節を通じ東京とかなり近いパターンですが、降水量は各月とも10mm以下と非常に少なく乾いた環境です。
歴史的には、レコンキスタによりアルフォンソ6世が1083年にイスラムの支配からこの地を開放し、1562年にフェリペ2世によりそれまで首都であったトレドから遷都されました。
それでは、フリオ・イグレシアス(Julio Iglesias)が事故の後遺症を克服し世界的に有名となるきっかけを作った、本人の作詞作曲した「La vida signe igual (Life Continues Just The Same)」を聴きながら写真と説明をみて、スペインの旅最終回を味わっていただければと思います。
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スペイン広場にはドン・キホーテとサンチョ・パンサの銅像があります。石造のミゲル・デ・セルバンテスはその上に座ってドン・キホーテを見下ろしているようです。
あの有名なマクドナルドもマドリッドでは周囲と比べ華美にならないよう配慮がなされているようです。
レストランには、闘牛で倒された牛が飾られていました。
闘牛場はスペイン各地に点在していますが、そのルーツを辿ると古代ローマ時代の支配地に作られた闘技場になるそうです。
次に、プラド美術館では、ディエゴ・ベラスケスの「ラス・メニーナス」やフランシスコ・デ・ゴヤの「着衣のマハ」「裸のマハ」などを鑑賞できました。
今回は訪ねることができませんでしたが、スペインにはローマ水道橋やアルカーサルで有名なセゴビア(マドリッドから北西へ95km)、王宮で有名なアランフェス(マドリッドから南へ60km)など中世からの佇まいを留めた地があり、また、ギター関連でも「アランフェス協奏曲」がこの地をモチーフとしたこともあり、機会があれば訪れてみたいと思います。
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昨年の12月初めから5回プラス1でスペイン紀行を、写真と訪れた地の歴史や風物を織り交ぜて記述してきましたが、どこか気になった地がありましたでしょうか。改めて、スペインは日本から訪ねる場合最西端に位置し、歴史的には現在の南北アメリカを最初に形作った国家です。エジプト、ギリシャ、古代ローマは廃れてしまった建造物と彫像と画で過去の栄華をかろうじて今に残していますが、現在まで中世の佇まいのままで栄華の面影を維持し、かつ人の温もりをも感じさせてくれるのはスペインとイタリア(まだ行ってませんが)ではないでしょうか。京都や奈良を訪れたときに感じる安らぎと似ているように思います。
確かにロンドンやパリやニューヨークなどの美術館に行けばたくさんの彫像や絵画が展示してあり、あらゆる時代の作品を短時間で手短に味わえるでしょう。しかし、作者が生まれ育った地を訪ね、どのような時代背景や環境に生き暮らしたのかが分かると更に味わい深い観賞が行えるように思えます。
学生時代にギター曲から得たスペインのイメージや印象と今回訪れた地の雰囲気は非常にマッチするように思いました。
人の一生はどう頑張っても元気に過ごせるのはせいぜい数十年、辿る長い歴史もそのスパンの繰り返しと積み重ねにより生まれた証でしかありません。その皆さんも一度でいいので体も心も動かせるうちに、歴史的資産をじかに観て感動を得られるスペインを訪れてみてはいかがでしょうか。
最後に一首。
スペインの 栄華移ろい 今を見て
二人の王は 何を語らん
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では、また。